2009年1月14日(水)「しんぶん赤旗」
2次補正案 自公採決強行
「給付金は選挙対策」
笠井議員反対討論 雇用・暮らし不十分
衆院本会議
自民、公明両党は十三日、総額二兆円の「定額給付金」を柱とする二〇〇八年度第二次補正予算案と同関連法案の採決を強行し、衆院本会議で賛成多数で可決、参院に送付しました。日本共産党は反対しました。民主、社民両党は採決前に退席。国民新党は欠席しました。
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反対討論に立った日本共産党の笠井亮議員は、わずか三日間の質疑での採決は「あまりにも横暴」「断じて許されない」と糾弾。補正予算案に盛り込まれた「定額給付金」は「景気対策としても役立たないことは明らかであり、公金を使った選挙対策だ。しかも二〇一一年度の消費税増税とセットだ」と同給付金の撤回を主張しました。
また笠井氏は、公的資金を使ってマネーゲームで損失を抱えた金融機関を救済する内容を盛り込んでいることを批判し、雇用と暮らしへの対策は規模も内容も不十分だと指摘しました。
本会議に先立つ予算委員会では、与党は、衛藤征士郎委員長の職権による補正予算案の採決を前提に、締めくくり質疑に入りました。日本共産党など野党四党の国対委員長は、与党による異常な議会運営を批判し、河野洋平衆院議長に正常な議会運営をするよう申し入れました。
しかし与党は予算委員会で、野党議員が委員長席に詰め寄るなか採決を強行し、賛成多数で可決しました。
補正予算案から定額給付金を削除する民主、社民、国民新の三野党の修正案は、与党の反対多数で否決されました。日本共産党は賛成しました。
この後、与党は、財務金融、総務、国土交通の各委員会でも関連法案の採決を強行し、賛成多数で可決しました。それぞれの委員会で日本共産党は反対討論に立ちました。
まったく許しがたい
こくた国対委員長
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日本共産党のこくた恵二国対委員長は十三日、国会内で記者会見し、与党による衆院予算委員会での第二次補正予算案の採決強行について「まったく許しがたい」と強く抗議しました。
こくた氏は「いまの国会の最大問題は雇用の問題だ」と強調。日本共産党がこの間、大企業による大量「首切り」について、日本経団連などの経営者団体の代表や「派遣切り」にあった労働者を呼んだ参考人質疑の実施を求めてきたことを述べ、「そういう審議も行わず、無理やり採決したのは、まったく許しがたい」と述べました。
さらに、第二次補正予算案に盛り込まれた「定額給付金」は、「生活対策」としても「景気対策」としても役に立たず、その上二〇一一年度には消費税の増税が待ち構えていると指摘。「国民の七、八割が反対していることを踏まえて白紙撤回すべきだったのに、無理やり強行したことに抗議したい」と述べました。