2009年1月20日(火)「しんぶん赤旗」
二院制の民主的機構壊す
一院制創設議論 市田氏が批判
日本共産党の市田忠義書記局長は十九日の記者会見で、麻生太郎首相をはじめ政府・与党内で、選挙制度改変・国会一院制をめぐる議論が出ていることについて、「民主的なチェック機構として日本の二院制は積極的意義を持っている。一院制には反対だ」と述べました。
市田氏は、憲法で衆院と参院の二院制となっている日本の議会制度について、「同じ議案を、別の時期に異なる選挙制度で選ばれた二院で議論することで、より国民の民意を反映させることができる」と指摘しました。
また自民党内で、選挙制度を見直し、衆院の比例区、参院の地方選挙区を廃止すべきだという意見が出ていることについて、市田氏は「比例区は死票が少なく、多様な民意を正しく議席に反映させる民主的な制度だ。廃止は、議会制民主主義の観点からも正しくない」と強調。「比例代表をなくしていくのは、反民主的であり反対だ」と主張しました。
市田氏は、現行の小選挙区中心の選挙制度には問題があるとし、改革するなら「小選挙区制を廃止しブロックごとの比例代表選挙一本にしていくことなどが必要だ」と述べました。
米新政権の今後注視
市田氏 「日本の追従問われる」
日本共産党の市田忠義書記局長は十九日の記者会見で、記者団からの質問に答え、二十日(日本時間二十一日未明)に発足する米国のオバマ新政権について、「米国の歴史のなかで初の黒人大統領の誕生という点では、民主主義の観点から積極的な意味を持つ」と述べるとともに、今後の外交戦略については「冷静にみていく必要がある」と語りました。
市田氏は、オバマ氏選出の背景には「ブッシュ政権の一国覇権主義、国連の決議なしでも先制攻撃戦略をいつでもやれるというやり方への国民のノーの意思の表れ」と指摘。同時にオバマ政権が国連憲章にもとづく立場に立つかどうかは「事実を見守りたい」と表明しました。
現在の世界情勢に触れ、「アメリカ一国の力で世界を席巻する時代ではなくなりつつある。米覇権主義の終えん時期の始まり」にあると述べた市田氏は、東南アジア諸国や中南米諸国の、国連憲章にもとづく自主的な地域協力機構の追求の動きが広がっていることに言及。
日本政府にとっては「何があっても米国の言うことに付き従うのか。自主性のなさは、今後ますます鋭く問われてくる」と指摘しました。