2009年1月21日(水)「しんぶん赤旗」

大銀行が中小企業つぶし

貸し渋り・貸しはがし正せ

首相「非常に大きな問題」

参院予算委 大門議員が質問


 日本共産党の大門実紀史議員は二十日の参院予算委員会で、中小企業を倒産に追い込む大銀行の「貸し渋り・貸しはがし」の非情な実態を示し、「大銀行にこんな姿勢を続けさせて日本の景気は良くなるのか」と追及しました。麻生太郎首相は大銀行の姿勢について「非常に大きな問題だ」と答弁しました。


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(写真)質問する大門実紀史議員=20日、参院予算委

 大銀行はこの一年、大企業への融資を六兆円も増やす一方、中小企業向け融資は一・一兆円も減らしてきました。(グラフ)

 大門氏は「(中小企業にたいする)貸し渋り・貸しはがしが、増加する企業倒産の最大の背景だ」と強調。三井住友銀行による融資拒否や三菱東京UFJ銀行による口座凍結など、大銀行による横暴の実例をあげ、「(大銀行に)厳しく対処を」と求めました。

 麻生首相は貸し渋り・貸しはがしをすすめる大銀行の「気持ちはわからないでもない」とのべる一方、口座凍結については、問題があると認めました。中川昭一財務・金融相も「突然の(口座)凍結はあってはならない」と答えました。

 また、二階俊博経済産業相は「それぞれの事業の実情を斟酌(しんしゃく)する必要がある」とのべ、大銀行が中小企業にたいして、一律に融資を拒否することは問題との認識を示しました。

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消費税増 信を問え

 大門氏は、麻生首相が二〇一一年度からの消費税増税を二〇〇九年度税制「改正」法案の付則に書き込もうとしていることについて「いっそう消費を冷え込ませる」と批判。国民の約六割が反対(「日経」〇八年十二月二十九日付)している消費税増税を付則に書き込むのは「国民世論を無視することだ」と強調しました。

 その上で、「将来の増税にレールを敷くというなら、総選挙で増税を公約に掲げて国民に信を問うてからやるべきだ」と主張しました。

 これにたいし麻生首相は「今国会に(増税の)道筋を盛り込んだ法律を提出する」と表明。自民党として選挙公約に消費税増税を掲げることについては、「責任ある政党として、将来、消費税(増税)で、社会保障を補っていくということをいわざるを得ない」と答えました。


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