2009年1月22日(木)「しんぶん赤旗」
278万通、本人に届かず
ねんきん特別便 未回答も46%
約五千万件にのぼる「宙に浮いた年金記録」解決をめざして社会保険庁が実施した「ねんきん特別便」約一億八百万人分のうち、約二百七十八万人分が本人に届いていないことが、同庁のまとめで分かりました。
また、未回答者は、全体の46%にあたる四千九百八十一万人もおり、受け取っても分かりにくい特別便の欠陥ぶりを浮き彫りにしています。
社保庁は昨年三月までに、記録漏れのある疑いが強い約千三十万人に、年金加入記録を記載した「名寄せ特別便」を送付。その後、昨年十月末までに残りの人たち約九千八百四十三万人に「全員便」を送りました。
住所変更の届出がなかった人などの分が届かずに、社保庁に戻ってきました。
これらの人たちは、自分の年金記録を確認することができません。返送されたうちの18%にあたる約五十万人分は、「宙に浮いた記録」と結びつく可能性のある記録だけに早急な対策が求められています。
未回答の人のなかで、記録と結びつく可能性のある人は約三百十六万人います。このうちの約五十万人は年金受給者です。年金額が増えることが予想される人たちへの特別の手だてが急がれます。
「特別便」は、結びつく可能性がある年金記録があっても、それが記載されていないなど受け取っても分かりにくい内容になっています。このため、実際は結びつく記録があるにもかかわらず、「訂正なし」と回答する人も少なくありません。
社保庁が、「名寄せ便」を受け取りながら、「訂正なし」と回答した約二十七万七千人に、さらに結びつく可能性のある記録の詳しい情報を伝えたところ、79%にあたる二十一万八千人余が「本人の記録」と確認できました。
このことは、分かりにくい「特別便」だけに終わらせるのではなく、年金加入者・受給者にさらに詳しい情報提供ときめ細かい対応が急務であることを示しています。
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