2009年1月22日(木)「しんぶん赤旗」
社保病院保有者決めよ
厚労省に住民、職員ら要請
東京・北区や大田区の住民、社会保険浜松病院(静岡県浜松市)の職員、日本医労連の田中千恵子委員長、健保労組の大島賢書記長らが二十一日、社会保険病院などの保有主体決定を求めて厚労省・社会保険庁へ要請しました。
社会保険庁の解体にともない、政府が、社会保険病院・厚生年金病院等をRFO(独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構)に移譲・出資したことで、住民や患者に不安が広がり、医師や看護師確保に支障をきたす病院も出ています。
全国社会保険協会連合会が運営する社会保険浜松病院は、医師不足と移転計画がすすまないことを理由に三月末で病院を休止するとしています。
要請項目は、(1)浜松病院の診療休止をさせず、診療継続の対策を講じる(2)社会保険・厚生年金病院の公的な存続のため直ちに保有主体を決定する(3)職員の雇用を守る―です。
浜松病院の臨床検査技師で職員代表は、「地域住民に不安が広がり、職探しをする職員も出ている。いま手を打たなければ職員はばらばらになり、地域医療を提供できなくなる」と早急な対策を求めました。
大島書記長は、「厚労省は『地域医療に支障ないよう配慮する』『方針を決めるまで廃止・売却しない』と言い続けてきた」と、厚労省が全社連に運営責任・経営の指導をするよう求めました。
厚労省担当者は「厚労省は“休止”を決定していない」「浜松病院単独の対応はできない。二月をめどに、全病院の保有者を決めるために中期目標を変更していきたい」と答えました。
公的病院として存続・拡充を
厚労省前で宣伝
「社会保険病院・厚生年金病院等の公的存続のため、政府・厚労省は保有者を直ちに決定せよ」と二十一日、地域住民と病院職員ら六十人が厚労省前で宣伝しました。日本医労連、健保労連がよびかけました。
社会保険浜松病院臨床検査技師は厚労省・社保庁要請の結果を報告。涙ぐみつつ「浜松病院は住民にとってなくてはならない病院。四月一日以降の診療継続のため、職員は力を合わせる」と訴えました。
宣伝参加者は、「北区は医療過疎の状態で、お産ができるのは東京北社会保険病院だけ。公的な病院として存続・拡充を」「保有者が決まらず、医師や看護師が集まらない。産科と小児科が休診になった」(東北厚生年金病院職員)などと訴え、ビラを通行人に配りました。
日本共産党の佐々木憲昭、高橋ちづ子衆院議員が激励しました。
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