2009年1月23日(金)「しんぶん赤旗」
教科書検定
制度改定で意見交換
執筆者と野党国会議員
沖縄戦の「集団自決」についての教科書検定にもかかわって文部科学省が検定制度改定を進めている問題で、沖縄選出・出身議員を中心とする野党国会議員と、教科書執筆者らとの意見交換会が二十二日、国会内で開かれました。
子どもと教科書全国ネット21の俵義文事務局長、高嶋伸欣琉球大学名誉教授、石山久男歴史教育者協議会前委員長が参加。国会議員側からは日本共産党の赤嶺政賢衆院議員、民主党の神本美恵子、社民党の山内徳信、無所属の糸数慶子各参院議員が出席しました。
俵氏は「集団自決」検定問題で沖縄県民をはじめとする怒りが広がり、密室性や教科書調査官のあり方など制度自体への批判が高まったことが見直しにつながったと指摘。しかし文科省の改定案では透明性は高まらず、「愛国心」などの徳目を全教科の教科書に盛り込ませることが狙われているとのべました。
高嶋氏は、「文科省は要求を逆手にとって透明性を悪化させようとしている」と批判。執筆者らが求めていた「検定意見が誤っていた場合の是正の仕組み」はなく、調査官の選考基準にも問題があるとのべました。石山氏は、改定案は「露骨に教科書を統制する内容で戦後最悪」とし、「国会の議論でぜひ改善を」と訴えました。
文科省による改定案へのパブリックコメント(意見公募)のやり方や、教科書採択制度の問題なども議論されました。赤嶺議員は「提起された問題をそれぞれの立場から国会で取り上げていきたい」とのべました。
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