2009年1月28日(水)「しんぶん赤旗」

排ガス州規制容認

前政権の決定を転換

米政権


 【ワシントン=小林俊哉】オバマ米大統領は二十六日、カリフォルニア州が独自に定めた自動車排ガス規制(二〇一六年までに空気中の排ガス量を30%削減)を不許可としたブッシュ前政権の決定を覆し、米環境保護局(EPA)に対し、同規制を認める方向での再検討を指示しました。

 オバマ氏は「ワシントンが、州の足を引っ張るようなことは、もう終わりだ」と指摘。「連邦政府は、温室効果ガスの削減のために州と協力すべきであり、対立すべきでない」と強調しました。「私の政権は(温室効果ガスの悪影響という科学的な)事実を否定しない。むしろ事実に導かれる」と述べ、温暖化の原因が人為によるものとの科学的見解さえ疑問視したブッシュ前政権との違いを鮮明にしました。

 また、二〇二〇年までに乗用車の燃費を一リットル当たり約十五キロに効率化する目標に向け、一一年から実施する基準引き上げ案を策定することも、運輸省に指示しました。

 カリフォルニア州のシュワルツェネッガー知事は同日、「きれいな空気、環境にやさしい自動車を求める人々と州の勝利だ」と述べ、オバマ政権の決定を歓迎しました。同州と同様に、政府基準より厳しい独自の排ガス規制基準の実施を検討している州は十八に上ります。

 米自動車大手のゼネラル・モーターズ社は同日、声明を発表し、「われわれはオバマ政権と協力する用意がある」として、燃費効率のよい自動車生産のために「果敢に取り組む」などと主張しました。同社は折からの経済危機で、連邦政府から巨額の財政支援を受けています。



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