2009年1月29日(木)「しんぶん赤旗」
両院協議会
第二次補正予算案について
大門議員の発言
日本共産党の大門実紀史参院議員は、二十七日開催された二〇〇八年度第二次補正予算案についての両院協議会に参院メンバーの一人として出席しました。協議会で、大門氏は、政府関係機関補正予算案に反対する意見表明を行いました。発言を紹介します。
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政府関係機関補正予算案に反対した理由を述べます。
本補正予算案において、政策金融公庫は、「危機対応円滑化業務」で、政策投資銀行を通じて二兆円のCP(コマーシャルペーパー)などの買い取りを行うとしています。また、その原資は、同公庫が短期の政府保証債を発行して調達するとしています。
この経済危機の中、大企業の資金繰りも逼迫(ひっぱく)しているのは事実ですが、すでに大銀行は、中小企業への貸し出しを減らす一方で、大企業への貸し出しを六兆円以上も増やしています。この上、政策投資銀行が、個別企業からCPを買い取るという異常な手段で資金供給をするというのは、大企業への大盤振る舞いという批判はまぬがれません。
日本銀行の企業の社債やCPを担保に資金を金融機関へ供給する対策と合わせて考えると、中小企業救済に比べ、政府の大企業に対する対策はあまりにも手厚い。それだけの財政資金等の余裕があるなら、中小企業対策にもっと回すべきであります。
さらに、その対象となる大企業を認定する条件は、中小企業の緊急保証の条件に比べ、緩やかすぎ、恣意(しい)的な救済がされる懸念が強く存在します。しかも、政府保証債でその原資を調達することは損失が生じた場合、国民負担につながるものです。
これらのことから、政府系金融機関による大企業のCPの買い取りに反対です。
この間、中小企業の倒産件数が激増、特にいわゆる資金繰り倒産が急増しており、年度末に向け、中小企業の資金繰り支援の抜本的強化が求められています。この点では、政府の緊急保証だけでなく、政府系金融機関による直接貸し付けの大幅増が求められています。
本補正予算案では、政府系金融機関が貸し付けた際の損失の一部負担などの、中小企業向け資金供給対策が含まれているものの、現下の中小企業の危機的状況に対してはあまりにも貧弱で不十分といわざるをえません。
以上のことから、本補正予算案に反対いたします。
CP コマーシャルペーパーの略。企業が一カ月から三カ月程度の短期間の資金を調達する際に発行する社債の一種です。金融機関が主な買い手です。どんな企業でも発行は可能ですが、実際には大企業が中心です。企業の資金繰りを助けるためとして、政府系金融機関のほか、日本銀行もCPの買い取りを決めています。CP買い取りには、発行した企業が倒産すれば、損失をこうむる危険をはらんでいます。
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