2009年1月29日(木)「しんぶん赤旗」

横須賀港に奇形ハゼ

保険医協会調査

高濃度鉛など検出


写真

(写真)レントゲンで異常が確認された奇形ハゼ

 米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)近くの横須賀港で奇形ハゼが確認されたことが二十八日、県保険医協会の実態調査のまとめで分かりました。

 同会は、一九九八年から、横須賀基地による環境汚染の実態調査を毎年一回実施しています。

 今回、二〇〇八年十一月十六日の調査で釣れたマハゼ三十六匹のうち、二十三匹(63・9%)にX線異常(骨まがり)があり、六匹(16・7%)に外観異常(湾曲)が確認されました。重金属による汚染に不安の声があがっていますが、今回の調査で異常があったハゼの体内から鉛、ヒ素、PCBが高濃度に検出されました。

 東京都町田市、神奈川県横浜市、川崎市を流れる鶴見川でも調査を実施しましたが、釣れたマハゼ十三匹にX線、外観異常は見られませんでした。

 横須賀港では、米軍の原子力空母ジョージ・ワシントンの配備のために海底を掘り下げる、しゅんせつ工事が行われていました。

 県保険医協会の野本哲夫公害環境対策部長は、海底から多数の奇形ハゼが発見されたことについて「しゅんせつ工事が基地前の異常値発生率に影響を与えたと考えられる」と指摘。「引き続き調査が必要である。当然のこととして、この水域のハゼを食べることは危険である」としています。



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