2009年1月30日(金)「しんぶん赤旗」
「協会けんぽ」保険料率
厚労省が激変緩和案
5年後最大1.07%格差
中小企業のサラリーマンが加入する旧政府管掌健康保険(政管健保)の保険料率は、十月にも、全国一律から都道府県ごとに差がつけられますが、それにともなう保険料負担の激変緩和措置について、厚生労働省は二十九日までに四つの案を示しました。
国(社会保険庁)の責任で運営していた旧政管健保は、昨年十月、協会けんぽ(全国健康保険協会)に組織がえし、都道府県ごとの運営に移りました。全国一律の保険料率(8・2%を労使折半)は、都道府県ごとに、かかった医療費によって異なる料率に変わりますが、五年間は、激変緩和措置がとられます。
厚労省が示した案は、都道府県ごとの保険料率について、五年間の中で急激に格差をつけるものから、なだらかに差をつけていくものまでの四種類。しかし、いずれの案でも五年後には、最も保険料率が高くなる北海道が8・75%、最も低くなる長野県が7・68%となり(二〇〇九年度見込み)、1・07%の差がつきます。
世論を恐れて激変緩和策をとっても、保険料率に地域ごとに差がつくのは変わりないことが改めて浮き彫りになりました。
最もなだらかに格差をつけていく案では、一年目で、0・17%の差がつき、最も急激に差をつける案では0・46%の差がつきます。
保険料率に差をつけるのは、かかった医療費を保険料率に反映させることで圧力をかけ、都道府県を医療費抑制で競わせるのが狙いです。
下げ続けてきた国庫負担を引き上げ、国が責任をもって、全国一律の保険料を維持することが必要です。
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