高齢者の実態見よ

老地連が厚労省交渉

　全国老後保障地域団体連絡会（全国老地連）は二日、厚生労働省と来年度予算について交渉を行い、七人が参加しました。

　全国老地連は昨年十二月、後期高齢者医療制度の廃止や、介護保険料は値上げせず低所得者には値下げすること、社会保障費の年二千二百億円削減中止などを求めた予算要求書を提出していました。厚労省の各担当課から回答を受けた後、意見交換を行いました。

　後期高齢者医療制度で、保険料の支払いが一年間滞った場合、保険証の取り上げが危惧（きぐ）されている問題について「悪質なもの以外は取り上げないというが、基準がはっきりしていない。どうするのか」との質問が出ました。担当者は「一定の基準を定める必要はある。国も広域連合に助言していくことになるだろう」と述べました。

　老地連の後藤迪男事務局長は、介護保険について、六十五歳以上の保険料が、二〇〇八年度末には準備基金として全国で三千八百億円もため込まれると指摘。福井典子常任幹事は、「介護サービスの取り上げによって財政のため込み金が増えていることを厚労省は認識すべきだ」と指摘しました。

　千葉県に住む男性は、介護サービスの取り上げが本格化した〇六年度の改悪後に、家の中のことはできても外に出歩けなかった女性がヘルパーを頼めなくなった事実を告発。「その女性は、一人で買い物に出かけ転んでけがをした。その後、寝たきりになって、すぐに亡くなった。もっと現場の実態を見るべきだ」と述べました。

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