2009年2月6日(金)「しんぶん赤旗」

子どもの医療保険拡充

米大統領署名法案が成立適用４００万人増に

　【ワシントン＝西村央】オバマ米大統領は四日、上下両院が可決した子どもへの医療保険適用を広げる公的医療保険制度（ＳＣＨＩＰ）拡充法案に署名し、法案は成立しました。

　オバマ大統領は署名に当たり、「数百万人の子どもが必要な医療を受けることができないようなことは避けなければならない」と表明し、「全国民が保険に加入できるようにする公約の第一弾だ」と強調。引き続き、無保険者の解消に全力を挙げる考えを表明しました。

　この日成立した法律によって、医療保険が適用される子どもの数は七百万人から千百万人に四百万人広がります。財源はタバコ税の引き上げでまかなうとしています。

　オバマ大統領は子ども向け医療保険制度について、子どもたちの両親の収入が低所得者向け医療制度（メディケイド）の適用を受けるには高いが、民間保険に加入するほどには余裕がない層を対象としたと述べており、子どもにとって「命綱」となると表明してきました。

　下院での表決は賛成二九〇、反対一三五でした。米メディアによると、反対した共和党議員は、公的医療制度の拡充は保険会社の市場を狭めると主張しており、民間企業の立場を擁護する主張となっています。

　ブッシュ前大統領は二〇〇七年、議会が可決していた同趣旨の法案を「医療保険の国有化につながる」として拒否権を発動し葬っていました。

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