2009年2月7日(土)「しんぶん赤旗」
海のエコラベル制度をどう考える?
〈問い〉「海のエコラベル制度」という言葉を聞きました。どんな制度ですか。日本共産党はどう考えますか。(東京・一読者)
〈答え〉漁業資源の減少が世界的な問題になっています。日本は水産大国で、世界最大の水産物輸入国でもあり、漁業資源の保全を保障する水産物の生産・流通をめざし、漁業資源の持続的な利用をはかることが重要な課題になっています。
日本共産党は、水産資源の適切な管理と漁業の持続的発展を保障するために、漁業者の自主的な努力を基本にしながら、国や自治体が魚価の安定や休漁保障、漁場の保全・改良などの対策を強める「資源管理型漁業」をめざしています。
この制度は、国際的なNPO(非営利団体)・海洋管理協議会(MSC)が「海の環境を保全しながら、天然の海産物の持続的な利用を実践している」と認めた漁業は生産した商品に、「海のエコラベル」といわれるMSCラベルを付けて流通させることができます。
MSCは、世界自然保護基金(WWF)と大手食品関連会社が1997年に立ち上げ、99年にNGO(非政府組織)として独立しています。持続可能な漁業の原則として「過剰な漁業を行わず、資源を枯渇させない」「漁場の生態系やその多様性などを維持できる形態で漁業を行う」「国際、国内、地域的なルールに則した漁業を行う」の3つをあげ、それが立証された漁業を持続可能な漁業として認証することになっています。
08年7月現在、世界で32漁業を認証し、MSCラベル付き製品は39カ国で1600品目が流通しているといわれます。
日本では、京都府機船底引漁業連合会が漁獲するズワイガニとアカガレイ漁が認証され、MSCラベルの扱いが認められた卸業者や大手スーパーも生まれ、店頭でも見られます。
こうしたとりくみは持続可能な漁業にとって意義がありますが、必要な条件づくりを漁業者・漁業団体任せにせず、国の漁業政策を「資源管理型」に切り替え、漁業経営の改善と自給率向上をしっかりふまえながら推進する必要があります。(坂) 〔2009・2・7(土)〕