2009年2月10日(火)「しんぶん赤旗」

安心して利用でき安心して働けるように

介護制度 抜本見直しを

共産党が提言 市田・小池両氏が会見


 日本共産党の市田忠義書記局長と小池晃政策委員長は九日、国会内で記者会見を行い、介護保険十年目を迎えるにあたっての日本共産党の提言「誰もが安心して利用でき、安心して働ける介護制度へ抜本的見直しを求めます」を発表しました。(全文Movie)


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(写真)記者会見する市田忠義書記局長(右)、小池晃政策委員長=9日、国会内

 市田氏が提言の基本的なポイントをのべ、小池氏は「当面の改善とともに、抜本的な改正の方向性を示す性格のものだ」と強調しました。

 提言は四本柱からなります。

 一つめは保険料・利用料の減免です。低所得者への減額・免除のしくみを国の制度として創設し、将来的には保険料を所得に応じた応能負担とし、利用料を無料にすることを打ち出しました。

 二つめは「介護とりあげ」の是正です。現行の要介護認定制度を廃止し、現場の専門家の判断を尊重することや、軽度者からの介護とりあげの中止を求めています。三十八万人を超える待機者がいる特養ホームなどの施設については、自治体ごとに緊急五カ年計画をつくり二〇一五年までに整備を進めることを提唱しています。

 三つめには介護労働者の劣悪な労働条件の改善のために、介護報酬を5%以上引き上げ、さらに別枠での公費投入による賃金の月三万円アップなどを求めています。

 四つめに、介護保険だけで解決できない高齢者の問題に自治体が責任をもって取り組むことを訴えています。

 それらを実施するために、現在22・8%にまで下げられている国庫負担割合を計画的に50%に増やすことを求めています。

 市田氏は、介護制度の充実は「安心と雇用を生み出し経済を発展させる」と強調。今後、関係団体に懇談を申し入れ、国会や地方議会の論戦で取り上げていく意向を表明しました。


介護提言(骨子)

1、保険料・利用料を減免して、経済的理由で介護を受けられない人をなくす
  経済的にたえられない人には負担を求めない/保険料などは応能負担にあらためる

2、「介護とりあげ」「保険あって介護なし」をただす
  要介護認定制度を廃止し、現場の判断を尊重する/ケアマネジャーの支援・育成/軽度者からの「介護とりあげ」をやめる/特養ホームなどの緊急の基盤整備5カ年計画/食費・居住費の全額自己負担をやめる

3、労働条件の改善で、人材不足の解消、雇用創出をはかる

4、高齢者の生活支援や健康づくりに、自治体が責任をはたす
<公的介護制度の改善は安心と雇用をうみ、経済も発展させる>



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