2009年2月11日(水)「しんぶん赤旗」

日本の温暖化対策どうする?


〈問い〉日本の温暖化対策は、政策全体の国際比較でほぼ最下位ランクでした。なぜですか。日本共産党はどうすべきだと考えますか。(千葉・一読者)

〈答え〉日本は温暖化対策の国際比較で、しばしば最下位クラスにランクされています。欧州の環境NGO(非政府組織)が昨年末に発表した57カ国の温暖化防止政策の比較で、日本は53位(本紙昨年12月13日付)。世界銀行の2007年末の調査では、70カ国中、62位でした(同昨年1月28日付)。

 上位の諸国は▽発電用の石炭を減らす▽風力や太陽光などの自然エネルギーの活用▽削減のための公的協定を政府と企業で結ぶ、環境税の導入、排出量取引制度などの補完策の導入―といった積極策を講じ、温室効果ガス排出量を削減しています。

 一方日本は、▽石炭火力発電を増やす▽原発が「低炭素」エネルギーの「切り札」だとして自然エネルギーの普及を規制する―など正反対の政策をとり、温室効果ガスを増やしています。先進国として最下位になるのは当然です。

 政府がこんな政策しかとれないのは、義務的な対策を敵視して「できる範囲のことをやればよい」という姿勢の財界、大企業のいいなりになっているからです。政府はまた、ブッシュ前米政権が京都議定書から離脱したことを、日本の消極姿勢の口実として最大限に利用してきました。この点は、温暖化対策に積極的なオバマ政権の成立で大きく変わりつつあります。

 日本共産党は、見解「地球温暖化の抑止に、日本はどのようにして国際的責任をはたすべきか」(08年6月)で、基本的な考え方と政策を示しています。そこでは、(1)産業革命期と比べて気温上昇を2度以内に抑える(2)先進国が主導的責任を果たす―ことを強調しています。

 日本がとるべき具体策として、(1)温室効果ガスを大幅に削減する2020年までの中期目標の明確化(2)最大の排出源の産業界に公的協定を結ばせ実質的削減を実現する。また環境税の検討を直ちにすすめる(3)自然エネルギーの開発・利用を促進する―ことを求めています。(明)

 〔2009・2・11(水)〕


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