2009年2月12日(木)「しんぶん赤旗」

憲法生きる国に

各地で集会 「建国記念の日」に異議


 「建国記念の日」の十一日、この日を祝日とすることに反対し、憲法問題や田母神前空幕長らの侵略戦争美化問題などを考える集会が、全国各地で開かれました。

 東京では、歴史研究者の団体や東京都教職員組合などからなる「『建国記念の日』に反対し思想・信教の自由を守る連絡会」主催の集会に約三百人が参加。東京歴史科学研究会の若尾政希代表の開会あいさつのあと、小林武愛知大学教授が名古屋高裁判決の意義と海外派兵をやめさせ平和的生存権を確立する課題について講演しました。

 小林氏は、田母神前空幕長にとっても改憲が最大の目標になっていることを指摘。自衛隊のイラク派兵を違憲・違法とした昨年四月の名古屋高裁判決が、「平和的生存権」を裁判規範性をもつ憲法上の権利だと認定した意義を強調し、ソマリア沖やアフガニスタンへの派兵についても、国民が平和的生存権の侵害だとして裁判で争えるようになったとのべました。日本国憲法の制定以来、「憲」の字のついた名前が広がっているなど、憲法が国民から愛され親しまれてきたことを指摘。憲法が生きる日本をめざす努力が成果を積み上げ、「徐々に結実しようとしている」とのべました。

 各分野からは、歴史教育者協議会が田母神問題と自衛隊の歴史観・国家観について、日本宗教者平和協議会が靖国問題と信教の自由について、堀越明男氏と「国公法弾圧堀越事件」弁護団がビラ配布への弾圧と表現の自由について、東京都教職員組合が新学習指導要領による子どもへの「自己責任論」おしつけについてそれぞれ報告しました。集会は「改憲阻止の国民多数派の形成をめざして全力をあげましょう」と訴えるアピールを採択しました。



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