2009年2月13日(金)「しんぶん赤旗」
派遣法に基づき正社員に
労働局に申告
いすゞ藤沢工場の元労働者
神奈川県藤沢市のいすゞ自動車藤沢工場の元派遣社員の佐藤良則さん(49)は十二日、同社に対し、労働者派遣法に基づいて同氏に直接雇用の申し込み義務を果たさせる指導、助言、勧告を行うよう神奈川労働局に申告しました。
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四日の衆院予算委員会で舛添要一厚労相が日本共産党の志位和夫委員長の質問に対し、偽装請負で働かされていた期間も「派遣制限期間」として通算されることを認めたのを受けたものです。
派遣法では制限期間の三年(二〇〇七年二月までは一年)を超えて派遣労働を受け入れる場合、労働者に直接雇用を申し込まなければなりません。佐藤さんは期間制限をはるかに超えて働かされていたことから、現行法に基づいて正社員に直接雇用させるよう求めたものです。
佐藤さんは、派遣労働者として同工場で働いてきましたが、同社が発注を打ち切ったため一月三十一日付で派遣会社から解雇されました。
申告には神奈川労連の溝口五月生副議長、JMIU(全日本金属情報機器労働組合)神奈川地方本部の鵜養孝委員長、日本共産党はたの君枝衆院南関東比例予定候補らが同席しました。
提出した申告書では、佐藤さんがいすゞ社員と混在して働き、いすゞ社員から業務上の指示を受けるなど実態は派遣労働なのに請負を装う「偽装請負」そのものであった▽その後偽装請負に対する社会的批判が強まるなかで請負から派遣に切り替えたものの就業実態は全く同じであった―と指摘。偽装請負を通算すれば五年八カ月にわたっていすゞ藤沢工場で働いていることになることから、直接雇用の申し込み義務が生じる期間制限に抵触しており、同社には派遣法に基づいて「期間の定めのない雇用契約」を申し込む義務があると求めています。
佐藤さんは「長く働けば正社員になれると思って働いてきた。正社員になれれば離れて住む家族を呼びよせることも考えていた。自分の人生設計が打ち崩されている。人道的な見地からみてもおかしい」と訴えました。
はたの氏は、志位氏の質問を紹介し、現行法に基づく直接雇用の申し込み義務を果たさせるよう国会の議論の到達をふまえた対応を求めました。
需給調整事業課の担当者は「調査してしかるべきものがあれば当然指導することになる」とのべ、申告書を受理しました。
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