2009年2月15日(日)「しんぶん赤旗」

築地市場 移転再検討を要求

科学者会議・環境学会が声明


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(写真)記者会見で声明を発表する環境学会の畑会長(右)と科学者会議研究委の神戸委員長=14日、東京都文京区

 日本科学者会議公害・環境問題研究委員会と日本環境学会は十四日、有害物質による食品汚染を考えるシンポジウムを東京都文京区で開き、都が進める築地市場移転計画の凍結と再検討を求める声明を発表しました。

 声明は、都の技術会議が提言した、移転予定地(江東区豊洲)の土壌汚染処理対策は、非公開で検討しており、「科学的な信ぴょう性を有しない」、「実証試験が一切行われておらず、すべて机上の作業に終始」と批判。発がん性物質・ベンゾ(a)ピレンの高濃度汚染や、都が「水を通さない」としてきた地層の欠落が相次ぎ発覚したことを指摘。豊洲地区の全面的な再調査・再評価を行うまで移転作業を凍結するとともに、それができなければ移転を撤回するよう求めています。

 同研究委員会の神戸秀彦委員長と環境学会の畑明郎会長は記者会見で、「処理対策は先に(移転の)結論ありきで、根拠も示されていない」(畑氏)などと批判しました。

 シンポジウムには百六十人が参加し、水産仲卸業者でつくる「市場を考える会」の野末誠氏と畑氏が特別報告しました。野末氏は「どんなに立派な建物を(豊洲に)建てても毒があればだめ。(築地の)食文化をなくすのは許せない」、畑氏は「環境基準の四万倍ものベンゼンが見つかったのは全国でも例がない。技術会議の原島文雄座長も土壌汚染は専門外で、都の汚染対策は『絵に描いたもち』だ」と批判しました。



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