2009年2月21日(土)「しんぶん赤旗」

公立病院をつぶすな

政府「ガイドライン」押しつけ

総務相“義務でない”と認める

衆院予算委 高橋議員追及


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(写真)質問する高橋ちづ子議員=20日、衆院予算委

 日本共産党の高橋ちづ子議員は二十日、衆院予算委員会で、政府・総務省が作成した「公立病院改革のガイドライン」によって全国の自治体病院で病院閉鎖や病床削減が加速している実態を告発し、「ガイドライン」の押しつけをやめるよう求めました。

 「ガイドライン」は、二〇〇七年に閣議決定された「骨太方針」に明記され全国の自治体に公立病院の「経営効率化」の数値目標を入れた「改革プラン」を今年三月までに策定することを求めています。

 高橋氏は、二十七の県立病院・診療所をもつ岩手県は四国に匹敵する広さや、入り組んだ海岸、山間部など地理的・経済的条件があり、県立だからやってこられた歴史的経緯があると紹介。「ガイドライン」にもとづき、県が急激な病床削減・無床化計画を強行したり、自治体が「三年間で黒字化」などの無理なプランを作っているとして、「ガイドラインは義務なのか」とただしました。

 鳩山邦夫総務相は、「地方自治法上は、技術的な助言。たんなる指針だ」と義務ではないことを認めました。麻生太郎首相も「ガイドライン」について「地域において医療提供体制の確保を図ることと明示してある」と述べ、「損益だけのものではない」と答えました。

 また、高橋氏は、無床化された宮城県の登米病院では、病床がなくされ四十六人の入院患者が病院を追われ、自宅に帰って亡くなった人や、救急車で遠くの病院に運ばれた結果、亡くなった人が出ていると告発しました。

 病院が有床診療所に変えられると、医療機関に支払われる診療報酬点数が下げられるため、すぐに「無床化」されてしまいます。高橋氏は、「診療所になっていずれも報酬単価が三割減となっている」ことを指摘。「地域の事情にそって診療所でも必要な医療が提供できるように報酬上も評価すべきではないか」とただしました。

 舛添要一厚生労働相は、「有床診療所は地域で重要な役割を果たしている。実情を考えながら、診療報酬改定時に正当な評価ができるようにしていきたい」と表明しました。

表

【Movie】公立病院をつぶすな 高橋議員が追及 衆院予算委 2009年2月20日



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