2009年2月24日(火)「しんぶん赤旗」

金融規制強化を確認

欧州首脳 投機集団も監視


 【ロンドン=小玉純一】独仏英はじめ欧州主要国の首脳は二十二日、四月二日にロンドンで開催される主要二十カ国・地域首脳会議(G20金融サミット)に向けて欧州の共通の立場を準備する会合をベルリンで開き、投機集団ヘッジファンドの規制、金融機関役員への過剰な報酬支払いの抑制、タックスヘイブン(租税回避地)の取り締まりなどを含む金融規制強化を確認しました。


 昨年十一月ワシントンで開かれたG20金融サミットは米国の消極姿勢のためヘッジファンドの直接規制については踏み込んでいませんでした。欧州が今回、役員報酬規制などとあわせてロンドンサミットへ課題を提起したものです。

 会合を主催したドイツのメルケル首相は「ヘッジファンド規制を明確に表明した」と述べ、今回の会合の成果を強調しました。ドイツは二○○七年の主要国首脳会議(G8)議長国としてヘッジファンド規制を訴えましたが、米英の反対で棚上げに追い込まれていました。

 同首相による議長総括は、「すべての金融市場、商品、市場参加者を適切な監督または規制のもとに置く」と改めて強調。「システミックリスク(連鎖破たん)を引き起こしうるヘッジファンドを含む私募ファンド」も規制対象としました。

 また、「われわれは現在の報酬慣習に対する懸念を共有している」と指摘。保護主義に抵抗する義務、国際通貨基金(IMF)への増資倍増なども提起。持続可能な経済を実現するための新たな取り決め(憲章)づくりも盛り込みました。

 今回の会合は、昨秋のG20サミット時よりも経済情勢が悪化し、中東欧諸国の通貨下落など新たな情勢のもとで開かれました。

 会議には独仏英のほか、イタリア、スペイン、オランダ、ルクセンブルク、欧州連合(EU)の現議長国チェコの首脳と財務相、欧州中央銀行総裁、欧州委員会委員長が参加しました。


 ヘッジファンド 富裕層や金融機関などから私的に資金を集め、証券や為替、商品などに投資し、利益を分配する基金(ファンド)です。短期的な取引でもうけを狙うのが特徴で、国際的に市場をかく乱する要因になっています。



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