2009年2月25日(水)「しんぶん赤旗」
温暖化対策
中期目標 後退の答弁
環境相 吉井議員が批判
斉藤鉄夫環境相は二十三日の衆院予算委員会で、温室効果ガス排出量削減の日本の中期目標について、昨年の発言から後退する発言を行いました。日本共産党の吉井英勝議員への答弁。
吉井氏は「総量削減目標を明確にし、それにふさわしい産業構造にするということでないと温暖化問題は解決できない。去年明らかにした数字さえ明らかにできないところに今の日本の環境行政の後退があり、極めて憂慮せざるをえない」と批判しました。斉藤氏は昨年のインタビュー(「朝日」八月十五日付)で日本の二〇二〇年までの中期削減目標に関し、「温暖化問題でリーダーシップを発揮すると宣言した日本として、(一九九〇年比)最低25%の中期目標は当然だろう」と語っていました。
ところが今回の答弁では、気候変動枠組み条約締約国会議で確認されている「25―40%削減」の目標は「先進国全体」としてのものであり、「その中でどう分担するかは議論しなければならない」と述べ、前言を事実上、撤回しました。
吉井氏はまた、「人間一人ひとりの文化や便利さを享受する権利は世界中で平等」であるとし、一人あたり排出量が圧倒的に多い日本などの先進国が大幅削減する必要を指摘しました。
これに対し中曽根弘文外相は、「文化、文明を一人ひとりが享受することは大切だ」と答弁。一方で、「排出量の多い主要途上国が削減のための行動を取る義務を負う必要」があり、先進国の削減幅はそれと「一体で検討されるべきだ」と述べ、先進国の主導責任をあいまいにする立場を示しました。
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