2009年2月25日(水)「しんぶん赤旗」

老齢年金11%アップ

600万人以上が恩恵

アルゼンチン


 【カラカス=島田峰隆】南米アルゼンチンのトマダ労働・雇用・社会保障相は二十三日、ブエノスアイレスで記者会見し、今年三月から老齢年金の支給額を11・69%引き上げ、最低年金を月額七百七十ペソ(約二万五百円)にすると発表しました。同措置で恩恵を受ける国民は六百万人以上に上るといいます。

 同国の一人当たり国民所得は五千百ドル=約五十万円で、日本の八分の一です。

 トマダ労働相は、フェルナンデス政権が前政権からの政策を引き継いで、公的年金を強化する努力を続けてきたことを紹介。「この措置は年金者の収入の見通しを立てるだけでなく、収入の分配をより改善する歩みだ」と語りました。

 アルゼンチンは一九九〇年代に、新自由主義政策のもとで民間年金基金制度を導入。しかし、その後の経済危機で失業や貧困が急増し、掛け金を払えず無年金者になる人が大量に生まれました。

 新自由主義の克服を掲げて二〇〇三年に誕生したキルチネル前政権は、無年金者をなくす年金改革法を成立させ、最低年金を保障しました。フェルナンデス政権も昨年、民営化された年金基金を再国有化する法律を成立させました。



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