2009年2月26日(木)「しんぶん赤旗」
経団連前で抗議
「切るな、派遣」
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「大企業は首切りをやめろ」。東京都千代田区の日本経団連前で二十五日、「派遣切り」された労働者ら約百五十人が抗議の声を上げました。「反貧困ネットワーク」が呼びかけた行動です。
経団連前には、「年越し派遣村」で使われたのと同じテントも登場。首都圏青年ユニオンや派遣ユニオンなど労働組合に入って立ち上がった青年らが「内部留保をはき出し、雇用と生活を守れ」とリレートークし、「寮を出ていけと言うなら、経団連会館を貸してくれ」との発言も。「切るな」と書いた紙を全員が掲げ、アピールしました。
「今、お金も仕事もない。寮は出られません」。派遣先の三菱ふそうから昨年末に中途解雇された男性(36)は、今月末の退寮を迫られていると訴え、正社員にするよう求めました。
日産ディーゼルから昨年末で中途解雇された派遣の男性(24)は、「会社側は話し合いにも応じない」と批判。ホンダの下請けで正社員として八年働いてきた三十代男性は、三月末の解雇を通告されており、「景気が悪くなったとたん、『いらない』とは、あまりにも無責任だ」と訴えました。
「都内で三千人いる野宿者のうち、八、九割は派遣切りや倒産で路上に追い出された仲間だ」との告発もありました。
同ネットワーク代表の宇都宮健児弁護士は、「経団連は会員企業に対し、違法・不当な首切りをやめさせるべきだ」と強調。内部留保を雇用維持や生活支援のために活用し、企業の社会的責任を果たすよう求めました。
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