2009年2月26日(木)「しんぶん赤旗」
東京都議会本会議
子どもの心の専門病院
梅ケ丘病院存続を
たぞえ氏質問
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日本共産党の、たぞえ民夫都議は二十五日、都議会本会議で、全国最大の子どもの心の専門病院である都立梅ケ丘病院(世田谷区)など三つの都立小児病院を廃止しないよう迫りました。
都立梅ケ丘病院は、児童虐待による情緒障害や、自閉症をはじめとした発達障害、統合失調症などの治療を行っており、年間四万人が通院しています。存続を求める署名は十七万人からよせられています。
たぞえ氏は「子どもたちの治療には、落ち着いた環境が欠かせない」と述べ、府中病院の隣に建設中の小児総合医療センターについて「府中病院は救急車の受け入れ台数日本一で年間一万台をこえる。新しいセンター整備により台数が増えることは明らかだ。爆音をともなうドクターヘリが飛来する環境が、重度の精神疾患や、環境変化への適応が難しい発達障害の子どもたちの療養環境として好ましいと考えているのか」とただしました。
さらに、IOC(国際オリンピック委員会)に提出した二〇一六年五輪立候補ファイルで、「現在十一の都立病院を運営しており、『患者中心の医療』の実現など質の高い医療サービスを都民に提供」としていることを指摘し「世界に十一の都立病院を売り込んでおいて、八カ所に減らすのは欺まんだ。今ある都立病院を充実していくことは世界への責任だ」と批判しました。
中井敬三病院経営本部長は「緊急時にヘリコプターの発着がある場合でも事前に周知することで療養上の問題はない」、「(十一病院は)IOCからの質問項目の回答として現況を記載した」として、都立病院統廃合計画を推進すると答えました。
傍聴した「都立梅ケ丘病院の存続を求める家族と都民の会」代表の池崎吉次さん(63)は、「たぞえさんは患者と家族の声を代弁してくれた。石原慎太郎知事が梅ケ丘病院の廃止問題で一言も答弁しなかったことは無責任だ」と語りました。
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