2009年3月3日(火)「しんぶん赤旗」

医療費不安 9割

非正規の55%「非常に」


 約九割の人が医療費の支払いに不安を感じていることが、NPO法人「日本医療政策機構」の調べで分かりました。とくに若者や非正規労働者らが強い不安を抱いている実態も浮かび上がりました。


 同機構は一月、地域や年齢、性別が、ほぼ均等になるように成人男女を抽出。戸別訪問をして、千十六人から回答を得ました。

 それによると、自身や家族が深刻な病気にかかったときの医療費の支払いについて、「非常に不安」が42・7%、「ある程度不安」が43・5%で、合わせて約九割に上りました。二年前に比べると、13ポイント増えています。

 なかでも「非常に不安」と答えた人は、二十代が最多で50・3%。続いて三十代が50%と続き、若い人ほど強い不安を抱えていることが分かりました。職業別でみると、非正規で働く人が55・2%と非常に高くなっています。

 昨年四月にスタートした後期高齢者医療制度に対しては、約四割の人が「廃止してもとの医療制度に戻す」「まったく新しい制度をつくる」と回答。

 自由記載欄には、「もっと医療・福祉に国は金を使うべき」「国できちんと対策して安心して子育てできる環境をつくってほしい」「医療体制の充実には医療従事者が不安なく働ける労働環境の改善が不可欠」などの声が寄せられていました。

「政治」がつくった結果

 全日本民主医療機関連合会の長瀬文雄事務局長の話 調査結果と医療現場の感覚や現状は、まったく同じです。民医連の調査でも昨年一年間で無保険などを理由に、少なくとも十七県で三十四人の「手遅れ死亡事例」がありました。現在の医療崩壊現象や国民の危機意識は「政治」がつくり出したものです。大本を変えなければ今後も困難さが増すことは明らかだと思います。

グラフ


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