2009年3月3日(火)「しんぶん赤旗」
生活保護42人受理
失職者 住所なしでも可
福岡市
福岡市は二日、「派遣切り」にあった人やホームレスの人たち四十二人の生活保護の集団申請を受け付けました。前日に開かれた「いのちとくらしの相談会」(主催・なくそう貧困! 福岡県民実行委員会)で生活・労働相談を受けた人たちを対象にしたもの。同実行委員会の強い要請で実現しました。市保健福祉局保護課の担当者はこうした取り組みは「初めて」としています。
この日は、市の職員が二人一組になり、生活保護申請について七つの専用窓口を設置。住居紹介・支援の窓口も設けるなどして、相談にあたりました。
保護課は、「居住地がないことをもって(生活)保護の要件に欠けるものではない」と明言しており、ホームレスの人たちを念頭に、「路上からの申請も受け付ける」としています。居住支援については宅建協会などと連携し約五百の紹介物件を用意。敷金も二十四万円以内で貸し付けます。
岐阜県で「派遣切り」にあい、今年一月末から博多駅周辺で路上生活をしていた男性(38)は、生活保護を申請し、二件の住居を紹介されました。当面の生活資金として一万円を受け取り、「助かった」と安どの表情。「普通の生活に戻りたい」と話していました。
県民実行委員会の塩塚啓史事務局長は「この間、(市は)住居をなくしている人の生活保護は認めてこなかったが、大きな前進だ」と評価。同実行委員会では、約七十人が申請に訪れるとみており、市は三日も相談態勢をとるとしています。