2009年3月3日(火)「しんぶん赤旗」
金融監督機関を創設
EU緊急首脳会議 6月末までに具体案
欧州連合(EU)の緊急首脳会議が一日、ブリュッセルで行われ、金融機関に対する規制・監督を強化するため、欧州レベルの金融監督機関を創設するとした共同声明を発表しました。(夏目雅至)
今回の首脳会議は、四月にロンドンで開かれる主要二十カ国・地域(G20)金融サミットに向け、EUが統一した姿勢を確認するために開催しました。
共同声明は「単一市場と経済通貨同盟の枠組みのなかで協調行動を継続することにより、危機を克服することが可能だ」と強調しました。
金融安定化策では、EU専門家グループが先週勧告した二つの金融監督機関創設の提案を歓迎し、六月末までに具体案を作成することを確認しました。監督機関の一つは欧州中央銀行の下で域内全域の危険を監視し、もう一つは各国の金融監督機関の活動を統合することを目的にしています。
通貨危機の影響を大きく受けている中・東欧加盟諸国への支援について、要請のあった最大千九百億ユーロ(約二十三兆円)の金融支援枠設定など具体的な措置は見送りました。
その一方で、西欧の投資が中・東欧諸国から引き揚げられることに憂慮を示し、域内保護主義を回避するための努力を表明。単一通貨ユーロ圏への加盟促進を通じて中・東欧諸国を支援することを表明しました。
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