2009年3月4日(水)「しんぶん赤旗」
日本共産党の“元気”の源とは
外国特派員協会 志位委員長が講演
経済・外交・組織・理想 「4つの角度」から
「明快でインプレッシブ(印象的)な話だった」。日本共産党の志位和夫委員長は三日、東京都内の日本外国特派員協会に招かれ、「日本共産党の“元気”の源は何か」と題して講演しました。用意されたテーブル席に座りきれないほどの参加者と十台近くのテレビカメラが注目する中、志位氏は、予定の時間を超えて次々と出された質問にも、ていねいに答えました。
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首相にとって最も手ごわい論客の一人―冒頭、司会者は志位氏をこう紹介。日本共産党がこの間一万六千人の新規党員を迎えていることもあげ、「日本共産党がなぜこれだけの人気を集めているのかを語ってくれるでしょう」と述べました。
志位氏は、総選挙勝利にはこれまでの延長線上でない活動の飛躍が必要としつつ、「日本共産党に広がりつつある明るい活力の“源”は何か」について、「経済改革」「外交路線」「組織」「理想」の「四つの角度」から縦横に語りました。
「経済改革」では、「ルールなき資本主義」を正し、「ルールある経済社会」をつくるという方針が、深刻な生活苦にあえぐ国民の共感を広げており、人間らしい労働の破壊や社会保障水準の連続切り下げへの社会的反撃が始まっていることを紹介しました。
「外交路線」では、日本共産党がアメリカとソ連という二つの巨大な覇権主義とたたかってきたと述べ、とくにソ連との生死をかけたたたかいがなければ「今日の党は存在しなかっただろう」と力説しました。
また、アメリカ覇権主義について「大きな破たんに直面し、終えんを迎えつつある」と指摘。日米安保条約に代えて日米友好条約を結ぶ目標を表明しました。
「組織」に関しては、党支部など「草の根のネットワーク」が国民の利益を守る活動に日々取り組んでいることを紹介。役所や警察よりも頼りにされているエピソードを語ると、どよめきも起こりました。
さらに党の「理想」という点では将来、資本主義を乗り越える未来社会―社会主義・共産主義にすすむ展望をもっている政党だということを詳しく説明しました。
質問では、野党関係、中国に対する見方、日本の経済危機の打開策、社会保障財源などについて、多彩な質問が寄せられました。
法律の規定は八時間なのに十数時間働かされている日本社会の異常についての質問に、志位氏は「ヨーロッパでは考えられないが、日本では残業の法的規制がない。労使が合意すれば、どれだけ残業してもよく、そのうえ、『サービス残業』まで横行している」と指摘。違法行為の一掃と残業時間の法的規制の必要性を強調しました。
アメリカの金融危機については、「破たんしたのは、『カジノ資本主義』と『借金の上につくられた過剰消費』だ」と解明。日本の経済危機打開では、外需・輸出依存から内需主導への転換、GDP(国内総生産)の55%を占める個人消費を応援する対策として、安定した雇用や社会保障充実、農業再生などの課題を示しました。
講演後、志位氏への単独インタビューの申し入れや、「派遣労働の実態をさらにリアルに知りたい」と資料提供を求める相談などが相次ぎました。「共産党が『駆け込み寺』というが、どんなことをやっているのか」などと質問してくる記者もいました。