2009年3月4日(水)「しんぶん赤旗」
給付金 参院委否決
「福祉・雇用に」が国民の声
“総額二兆円の公金を使った選挙対策”と批判される定額給付金の財源を確保するための二〇〇八年度補正予算関連法案が、三日の参院財政金融委員会で、否決されました。
これは「税金をばらまくのではなく、福祉や雇用対策などに有効に使ってほしい」という国民の声に応えたものです。
報道機関の世論調査では、定額給付金を「評価しない」が、73%(「毎日」二月二十三日付)、74・7%(「読売」同十日付)など、圧倒的多数の国民が反対しました。
麻生太郎首相が「受け取らない」「受け取る」と発言をころころ変えるなど政府、自民党の説明が二転三転したことが国民の不信をあおりました。
世論調査で、定額給付金を「生活費に使う」、「貯蓄する」が合わせて六割以上(「読売」同十日付)。相次ぐ庶民増税や社会保障改悪などで生活崩壊の危機に陥っている国民に、二兆円を一回ばらまいても、政府・与党が宣伝する「消費拡大」「生活対策」にはまったくつながりません。
衆院予算委員会の公聴会や参考人質疑でも、「定額給付金に関しては、『派遣切り』対策や生活困窮者、貧困者の生活支援、セーフティーネットの強化等に重点的に充てるなど、活用方法の再検討をしていただきたい」(同二十四日、宇都宮健児弁護士)、「本当に国民生活の根源である命、健康、そしてひいては暮らしを守るという立場で、より有効的な実効性のある使い方をご検討いただきたい」(同十六日、住江憲勇・全国保険医団体連合会会長)など、撤回と再検討を求める声が噴出しました。
また、昨年十月、麻生首相が定額給付金を含めた経済対策を発表したのと同時に打ち出したのが、一一年度までに消費税増税を決めるという方針です。給付金としてばらまかれた分の何十倍の税金を、大増税で取り戻そうというものです。“ばらまき一瞬、増税一生”が定額給付金の本質です。
麻生内閣は四日にも参院で否決された定額給付金のための関連法案を衆院の三分の二の数の力で再可決しようとしています。自民、公明両党は、国民の声を無視した暴挙を行うのではなく、定額給付金を撤回すべきです。(小林拓也)
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