2009年3月4日(水)「しんぶん赤旗」

性暴力と退職強要で提訴の女性自衛官

任用拒否の撤回求める

国会議員有志防衛省に要請


 性暴力と退職強要の不当性を訴えて二〇〇七年五月に札幌地裁に国家賠償請求訴訟を起こした現職の女性自衛官(空士長)に対し、航空自衛隊が今月二十二日以降の継続任用を拒否した問題で三日、日本共産党、民主党、社民党の国会議員有志と原告弁護団、支援者らが防衛省に対して拒否の撤回と、拒否理由の説明を求めました。

 日本共産党の紙智子参院議員ら九人の議員と、佐藤博文弁護士らが渡部厚人事教育局長と面会し、国会議員有志(三十人)連名の申し入れ書を手渡しました。

 渡部局長は、「継続任用するかしないかは空士長の場合、任免権者の委任を受けた基地司令の裁量にまかされている。今回は継続不適当と判断しその結果を示した」と述べました。

 紙議員らは「それは手続きのことだ」「拒否理由を明らかにすべきだ」などと指摘しました。

 佐藤弁護士が航空自衛隊の「空士長等の継続任用に関する達」にそって、「ここで『不適』とするのは懲戒処分が三回以上、詐欺横領などで重処分を受けた者、その他任免権者がこれ以外で継続任用不適当と判断した者と規定している。彼女は人命救助などで表彰されている優秀隊員だ。どこに該当するのか」と迫りました。

 同局長は「裁判の問題と任用拒否は関係ない」「個別人事については個人情報もあり(開示は)控えたい」と「不適当理由」の説明をあくまで拒否しました。

 申し入れには、岡崎トミ子参院議員(民主党)、神本美恵子参院議員(同)、辻元清美衆院議員(社民党)らも参加しました。


 任期制自衛官 防衛大学校卒業の幹部候補自衛官とは別に、高卒で入隊した陸・海・空自衛官は二年から三年で任期満了。そのつど継続任用の志願書を任免権者(所属基地の司令)に提出し、自衛隊は「健康診断、勤務成績及びその他適格性を判断できる客観的事実」(空士長等の継続任用に関する達)に基づいて行います。空自の場合、この五年間で、八千人が希望、継続不適当は一人だけ。



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