2009年3月7日(土)「しんぶん赤旗」
正社員化求め提訴
パナソニック元派遣の河本さん
福井地裁
パナソニックのグループ会社「パナソニックエレクトロニックデバイスジャパン」(本社大阪府)が福井県敦賀市内にもつ工場で四年近く派遣で働いてきた市内在住の河本猛さん(31)が六日、同社にたいし、正社員という地位の確認を求めて、福井地裁に提訴しました。これまで本人が受けてきた条件を下回らない賃金を同社が毎月支給することや、同社と派遣元の日本ケイテム(本社京都府)とで慰謝料百万円を支払うことも求めています。
河本さんは、代理人の海道宏実弁護士、「支援する会」の代表ら二人と会見し、「(パナソニック側が提示した)直接雇用(アルバイト)は明らかに賃下げなので選べない。正社員(の地位)を求めてたたかっていきたい」と訴えました。
河本さんはパナソニック側の「派遣切り」を自ら福井労働局に訴えたことで、過去の「偽装請負」が発覚。同局がこれを認定し、昨年十二月、派遣先と派遣元に違法行為の是正を指導し、予定されていた解雇が撤回されました。偽装請負期間が派遣可能期間(最長三年)に算入された結果、パナソニック側は期間制限に違反した状態となり、河本さんらに対し、直接雇用の申し込み義務が生じました。これに対し、パナソニック側は今年一月、時給八百十円の有期アルバイトの直接雇用案などの選択肢を示していました。
この問題は、日本共産党の志位和夫委員長が衆院予算委員会(二月四日)で取り上げ、パナソニックの横暴を告発しました。