2009年3月7日(土)「しんぶん赤旗」

国会議員の定数削減に反対するのはなぜ?


 〈問い〉 日本共産党は国会議員の定数削減に反対していますが、どうしてですか。(北海道・一読者)

 〈答え〉 現在の定数削減論は、国会と国民とのパイプを細くするだけでなく、少数党に代表される多様な民意を切り捨てることによって、結果的に大政党に有利な選挙にしようとするものです。

 注意する必要があるのは、定数削減の「口実」です。よく「国会議員も身を削る覚悟が必要」などと言われますが、これは定数を削減したことを理由に、消費税増税や福祉の切り捨てなど、国民への新たな負担をおしつけようということにほかなりません。

 「身を削る」というなら、年間約320億円にのぼる政党助成金を廃止する方が、よほど効果があります。

 議員を一人減らしても、国費として削減できるのはせいぜい年に7千万円前後でしかありません。仮に議員を100人減らしても、政党助成金総額の4分の1にも満たない70億円にしかなりません。

 憲法は、前文冒頭で「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動」すると明記し、第41条では、国会を「国権の最高機関」と位置づけています。国権の最高機関である国会に、国民のさまざまな層から代表者を送りだすという点でも、議員定数の削減は憲法の趣旨に合致しません。

 もともと日本の国会議員定数は、他国と比べて多いどころか、もっとも少ない国の一つです。G7(主要7カ国)はすべて2院制を採用していますが、列国議会同盟(IPU)などの2008年の報告によれば、人口10万人あたりの国会議員定数は、最高がイタリアの1・07人、次いでイギリス1・06人、フランス0・93人と続き、G7平均では0・5人となっています。

 日本は、この平均を大きく下回る0・38人で、事実上の最下位です。アメリカは日本よりも少ない定数ですが、これは、強い自治権をもつ50の州からなる連邦国家で、政治制度が大きく異なることも考慮しなければなりません。(駒)

 〔2009・3・7(土)〕


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp