2009年3月8日(日)「しんぶん赤旗」
「国際秩序を公正に」
中国外相方針 日中韓協力を重視
【北京=山田俊英】中国の楊潔篪(ようけつち)外相は七日、北京の人民大会堂で記者会見し、中国外交の今年の基本方針を明らかにしました。今後開かれる主要二十カ国・地域(G20)首脳会議や主要八カ国(G8)との対話を通じて「国際秩序をより公正、合理的方向に発展させたい」と意欲を示しました。対米関係とともに日中韓協力を重視する考えも示しました。
国際金融危機の中で中国経済の安定的発展に貢献することを外交の重点の第一に挙げました。G20首脳会議については、マクロ経済政策の協調、金融市場の安定化、国際金融システムの改革を課題に掲げました。
オバマ米政権との関係は「よいスタートを切った」と評価しました。
「日中韓三カ国の貿易総額は英仏独の総額を超え、三国間で文化、歴史の源泉も多い」と指摘。「三カ国の共同は、アジアが金融危機の影響から早く抜け出すのに貢献する」と強調しました。
朝鮮半島情勢については、「朝鮮が試験通信衛星を発射すると宣言していることを注視し、各国の反応も注視している」ことを明らかにしました。「関係国は朝鮮半島の平和と安定に有利になることをしてほしい」と、北朝鮮のミサイル発射に自制を求めました。
六カ国協議の停滞について「複雑な交渉であり、困難が生じるのは当然だ」と述べる一方、「合意に基づいて第二段階行動を完成させ、第三段階に入る」よう各国に努力を呼びかけました。
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