2009年3月10日(火)「しんぶん赤旗」
三菱電機は正社員にせよ
「派遣切り」受けた3人が提訴
名古屋地裁
三菱電機(本社、東京都千代田区)に派遣切りされた三人の労働者が九日、同社と各派遣会社を相手取り、三菱電機社員としての地位確認と損害賠償を求め、名古屋地方裁判所に提訴しました。
原告は、就業期間六年九カ月の男性(43)、同五年二カ月の女性(38)、同八カ月の男性(33)。いずれも名古屋北部青年ユニオンの組合員です。
訴状によると、三人は同社名古屋製作所(名古屋市東区)で派遣労働者として働いていましたが、いずれも昨年十二月、契約期間途中で解雇を通告されました。同社は偽装請負や、同一業務で三年以上にわたり派遣労働者を就労させ、労働基準法、職業安定法、労働者派遣法違反を行ってきました。
各派遣会社は、三菱電機の派遣契約解除によって労働者に解雇を通告しており、解雇の決定権限は三菱電機にありました。しかし同社が団体交渉の求めに誠意ある対応を示さないことから、提訴に踏み切りました。
三人は提訴後の会見で、「危険作業を強制され正社員以上に酷使されてきたのに、時給は六年間で二十円上がっただけだ。解雇は絶対に許さない」「泣き寝入りせず仲間と一緒にたたかう」「裁判に勝つことで、多くの人が立ちあがることを望んでいる」と話しました。
弁護士の渥美雅康、加藤悠史両氏は「三菱、大企業の不法な派遣切りを世に問いたい」「司法は派遣切りを許さない、歯止めの役割を果たしてほしい」と述べました。