2009年3月10日(火)「しんぶん赤旗」
米軍 イラク・アフガン戦闘
住民犠牲 注意払わず
統参本部への報告で判明
【ワシントン=西村央】イラクやアフガンに展開している米主導の軍隊が、作戦展開中に民間人への犠牲に考慮を払っていないことや、軍事情報が各国の軍に共有されていないため、民間人への被害予測をむずかしくしていることが明らかになりました。米統合参謀本部に提出された調査報告の内容をロイター通信が伝えました。
この調査は、国防総省に近いシンクタンクのランド研究所の専門家が九十人の米軍や連合軍の士官や情報担当者にインタビューした結果を米統合参謀本部に報告したもので、秘密文書の告発サイト「ウィキリーク」が軍のサイトで公開されていたものを入手。その後、文書は非公開になっているといいます。
武装勢力を撃退するうえで地元住民が重要な役割を果たすということを、米軍主導の軍隊が認識するようになったものの、「非戦闘地域の住民を保護するという点には、ほとんど注意が払われていない」と述べています。
軍事情報が共有されていないことについては、アフガニスタンで空爆の任務についたオランダのF16戦闘機のパイロットが、空爆による被害予測は米軍の機密であるとして情報提供を拒否されたことを挙げています。
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