2009年3月12日(木)「しんぶん赤旗」
共産党 機能不全の打開へ努力
雇用保険改正法案
政府提出の雇用保険改正法案と民主・社民両党提出の対案が十日の衆院本会議で審議入りしました。失業したのに雇用保険の給付を受けられない人が八割にものぼる機能不全状態をどう打開するのか―。日本共産党は、「国民の期待に真にこたえるよりよい法改正」(同日、日本共産党・高橋ちづ子議員の質問)を実現するための努力を表明しています。
■対象拡大
政府はこの間、雇用保険法を相次いで改悪してきました。二〇〇七年度には、自己都合離職の受給要件を六カ月から一年に延長(会社都合、解雇や倒産による離職は六カ月)するなど、現実におこる雇用悪化に逆行してきました。
衆院で審議入りした政府、民主・社民案はともに、雇用保険への非正規社員の加入要件を拡大します。
また、失業給付の受給要件については、政府案は雇い止めの場合のみ六カ月に短縮(自己都合は一年)。民主・社民案は、すべての失業者を六カ月に短縮するとしています。
日本共産党は、すべての失業者に雇用保険による支援がゆきわたるよう制度の抜本的拡充をおこなうことを求めています。
■給付日数
一方、政府案、民主・社民案ともに、離職理由による失業保険の給付日数の格差が温存されています。
政府は、二〇〇〇年の改悪で、離職理由による給付日数の格差を持ち込みました。自己都合離職の場合、三カ月も給付を待ち、その日数も九十日(被保険者であった期間が十年未満、全年齢)と、会社都合による離職の場合の二百四十日(同五年以上十年未満、四十五歳以上六十歳未満)と比べ大幅に短くなっています。
高橋氏は十日の衆院本会議での質問で、「職を失い日々の生活もままならない失業者の実情にまったくそぐわない」と指摘。「離職理由で給付日数に差をつけることを見直せ」と政府と民主・社民案提出者に求めました。
さらに高橋氏は、政府案では「三月までに職を奪われる失業者に改正内容が及ばない」と指摘。同案の施行期日(四月一日)を見直し、「昨年秋からの急激な(雇用情勢の)悪化に対応できるよう遡及(そきゅう)せよ」と求めました。
■国庫負担
政府は、社会保障費抑制路線の一環として、〇八年度から雇用保険の国庫負担を本来の25%(四分の一)から13・75%(四分の一の55%)に削減してしまいました。
昨年の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の建議などで、国庫負担の廃止まで言及されるなか、民主・社民案は国庫負担を四分の一に戻すことを盛り込んでいます。
日本共産党は、失業給付にたいして国が責任を負うことを指摘。国庫負担を四分の一に戻すことを求めています。
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