2009年3月14日(土)「しんぶん赤旗」
日本共産党の民主集中制とはどんなもの?
〈問い〉 日本共産党が組織原則にしている民主集中制はどういうものですか。旧ソ連のスターリン時代のやり方とどう違うのですか。(兵庫・一読者)
〈答え〉 民主集中制は、あくまでも日本共産党の内部の規律です。一般社会に押しつけるものではなく、党員が、党の一員としての自覚にもとづいて自発的に守るべきものです。
その基準は党規約(第3条)に明記されています。
(1) 党の意思決定は、民主的な議論をつくし、最終的には多数決で決める。
(2) 決定されたことは、みんなでその実行にあたる。行動の統一は、国民にたいする公党としての責任である。
(3) すべての指導機関は、選挙によってつくられる。
(4) 党内に派閥・分派はつくらない。
(5) 意見がちがうことによって、組織的な排除をおこなってはならない。
日本共産党は、党の最高機関である党大会を2年または3年の間に1回開きます。党大会の議案は支部総会、地区党会議、県党会議で討議され、その過程で、中央委員会は全国の党員から送られてきた意見を公表し、少数意見の表明の機会を保障しています。党大会から次の党大会までの間は、全党が中央委員会の方針と指導に団結して活動します。
これに対し、民主集中制のルールを徹底して破壊したのが、スターリンでした。
1934年のソ連共産党第17回党大会で選出された中央委員(および中央委員候補)は、スターリンが開始した大量弾圧によって、5年後の第18回党大会までに139人中98人が逮捕・銃殺されて不在となっていました。それ以後、中央委員会はまともに開かれず、スターリンの専制支配を追認するだけとなりました。党大会は、スターリンの死の前年にあたる52年まで13年間も開かれませんでした。
日本共産党が党内の少数意見の存在を認め尊重しているのに対し、スターリンの専制支配のもとでは少数意見が尊重される余地はありませんでした。(石)
〔2009・3・14(土)〕