2009年3月14日(土)「しんぶん赤旗」

カルテない患者提訴

薬害C型肝炎 自力で証言集める

新潟地裁


 汚染された血液製剤を投与されC型肝炎に感染したとして、新潟県上越市の病院臨時職員久保紀子さん(50)が十三日、国を相手に薬害肝炎救済法に基づく給付金受給の権利確認を求める訴訟を新潟地裁に起こしました。カルテは残っておらず、約一年かけ自力で医師の証言などを集めました。

 久保さんは記者会見し「実名公表には抵抗や迷いがあったが、国に苦しみを認めてほしくて踏み切った。他のカルテがない患者のためにも頑張りたい」と述べました。

 訴状などによると、久保さんは一九八七年一月三十一日、上越市の病院で長女の出産直後に大量出血。その後、C型肝炎ウイルスに感染していたことが分かりました。病院は既に廃院しており、カルテは廃棄されましたが、担当医師の証言などから、出血の際に血液製剤フィブリノゲンを投与され感染した可能性が極めて高いとしています。

 久保さんは、「カルテのない薬害C型肝炎の全員救済を求める新潟の会」に所属。同会には三十三都道府県約七百二十人が参加しています。同会によると、カルテがなく提訴した患者で実名を公表するのは初めてといいます。



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