2009年3月16日(月)「しんぶん赤旗」
「金融規制が中心問題」
米・ブラジル両首脳 G20へ協力確認
【ワシントン=西村央】オバマ米大統領は十四日、ブラジルのルラ大統領とホワイトハウスで会談しました。両者の会談は初めて。双方は、四月二日にロンドンで開く金融サミット(G20)と、同月十七日からトリニダードトバゴで開かれる米州サミットに向けて、金融危機への対応やエネルギー問題などで協力していくことを確認しました。
会談後の記者会見でオバマ大統領は、G20に向けた金融問題での対応について、財政の追加支出を求める米国と、強い金融規制を強調するフランスなど欧州との間に溝があるのではとの見方を否定。「根拠のない議論だ。包括的アプローチが必要で、金融規制は中心問題だ」と強調しました。
オバマ大統領の就任後、中南米の首脳がホワイトハウスを訪問するのはルラ大統領が初めてです。両国間では、ブラジルのエタノール燃料の米国への輸入では、一ガロンあたり五十四セントの関税がかけられ、ブラジルの生産者からは輸出が妨げられているとの不満があります。
この点についてオバマ大統領は、「緊張のもとは取り除くことができる」と述べましたが、具体策の言及はありませんでした。
ロイター通信によれば、米国のキューバへの経済制裁の停止とベネズエラとの関係改善を主張してきたルラ大統領は、オバマ大統領に両国との関係回復をうながしたと記者団に語りました。ルラ氏はオバマ氏について、「ラテンアメリカとの関係を改善するユニークで優れた姿勢を持っている」と評しました。
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