2009年3月17日(火)「しんぶん赤旗」
かんぽの宿
340億円を11億で売却
取得企業 三井住友銀が大株主
西川郵政社長を大門議員が追及
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日本共産党の大門実紀史議員は十六日の参院予算委員会で、かんぽの宿などの売却をめぐり西川善文日本郵政社長の出身である三井住友銀行が利益を得ている疑惑を告発し、「疑惑はオリックスだけではない。日本郵政と三井住友の癒着を徹底的に調査・検証すべきだ」と追及しました。
大門氏がとりあげたのは、日本郵政が「大江戸温泉物語(株)」と関連不動産会社「(株)キョウデンエリアネット」に売却した八件のケース。合計約三百四十億円で建設した八件の物件が三十分の一以下の約十一億円で売却されました。このうち二百十億円かけて建設された栃木県日光の施設は、六億三千万円で売却され、いまは「大江戸温泉物語・日光霧降(きりふり)」としてリニューアル。同社がばく大な利益を上げています。しかも、ほとんどが「大江戸温泉物語」などとの随意契約であり、売却額も入札契約も疑惑が指摘されています。
大門氏が、「大江戸温泉物語」やエリアネットを傘下におくキョウデングループの大株主が三井住友銀行であると明らかにすると、他党の議員から「本当か」と、どよめきが起きました。
同行が物件買収に資金提供していることを指摘。西川氏が三井住友銀行から日本郵政に連れてきたスタッフ「チーム西川」の一人がかんぽの宿売却責任者であり、この人物と西川氏は多数の三井住友の株を保有していることを告発しました。
「日本郵政内部の三井住友銀行関係者が、かんぽの宿売却を通じて三井住友銀行に対して利益供与をしている疑いがある」と調査を迫りました。
鳩山邦夫総務相は「初めて見た資料だ。今後、総務省として総力をあげて調査していきたい」と答えました。
【Movie】かんぽの宿 340億円を11億円で売却 大門議員が追及(09.3.16)
かんぽの宿 旧日本郵政公社から日本郵政が引き継いだ保養・宿泊施設。簡易保険加入者の福利厚生を目的に全国温泉郷などに建設され、民営化後は誰でも利用可能になりました。しかし、二〇一二年九月までに譲渡・廃止することが法律で決められています。昨年十二月、日本郵政は施設をオリックスに一括で安値売却する契約を結びましたが疑惑が浮上。オリックス以外の企業のからむ問題も次々と判明しています。
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