2009年3月19日(木)「しんぶん赤旗」
裁判員制度
えん罪に国民の不信
仁比氏 司法の構造問題指摘
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日本共産党の仁比聡平議員は十七日の参院法務委員会で、政府が五月実施を決めている裁判員制度について質問しました。
仁比氏は、世論調査で「参加したくない」「できれば参加したくない」人の割合が七、八割に上る根底に、冤罪(えんざい)をはじめ重大な人権侵害を生み出してきた刑事司法の構造的問題がただされないまま、市民が組み込まれてしまうのではないかとの不安や不信があることを指摘。「裁判員が、職業裁判官から結論を押し付けられるようなことになってはならない。裁判官から独立して裁判にあたることができなければ裁判員制度はその根幹を失うことになるのではないか」と質問しました。
最高裁の小川正持刑事局長は「裁判員と裁判官は対等な立場で評議を行い、その結果、裁判官が考え直すことも当然ある」と答え、証拠や事実認定について裁判官と優劣がないことを認めました。
また仁比氏は、裁判員の負担軽減ばかりが強調されるなかで、「原則三日で終わるというモデルを示したのか。それぞれの事案に即して審理と評議を尽くし、真実の発見と無辜(むこ)の不処罰を達成することが刑事訴訟の第一義のはずだ」と指摘。小川局長は「原則三日で審理を終えるべきとか、モデルを示したことは一切ない。刑事裁判においては、被告人の権利を保障しつつ事案の真相を明らかにすることが原則。無辜の者の処罰があってはならない。原則を全うしなければならない」と答弁しました。
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