2009年3月21日(土)「しんぶん赤旗」
名護新基地
アセス1年で終了
沖縄防衛局 県に準備書提出へ
沖縄防衛局はこのほど、米海兵隊キャンプシュワブ(沖縄県名護市)沿岸部への海兵隊新基地建設のための環境影響評価(アセスメント)を三月中旬までに終えたことを明らかにしました。アセスは昨年三月十四日に開始し、ほぼ一年で終了したことになります。
沖縄県は二〇〇七年八月に政府が提出したアセス方法書に対する修正意見として、シュワブ沿岸に生息するジュゴンなどの生態を把握するために「複数年調査」を行うよう要望しました。しかし、昨年三月に確定した方法書の修正版は複数年調査について、「実施状況を踏まえ検討する」とあいまいな表現にとどまりました。
沖縄防衛局は「今後、知事意見を踏まえて適切に対応する」と述べるにとどまり、アセスを一年で終えた理由を明らかにしませんでした。まじめに環境への影響を調査したものではなく、二〇一〇年から新基地建設を開始するという政府の想定する日程を前提にしたものといえます。
同防衛局はすでに、アセス結果について県などの意見を聞くための「準備書」作成に入っており、近く県に提出する予定です。
沖縄県の担当課は「準備書が提出されれば、受理した上で知事が意見を表明する」と述べ、新基地の「沖合移動」を改めて表明するとの見通しを示しました。