2009年3月22日(日)「しんぶん赤旗」
派遣村
「所持金4円」と駆け込み
埼玉・愛知・大阪で相談会
大企業による「派遣切り」が年度末を迎え急増しています。職や住まいを失った労働者を支援しようと二十一日、埼玉、愛知、大阪など全国各地で、労働組合や市民らが「一日派遣村」の支援行動に取り組み、訪れた労働者の切実な相談に応じました。
埼玉
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埼玉県では、さいたま市大宮区の鐘塚公園を会場に、「反貧困・駆け込み大相談会in埼玉」が開かれ(実行委員会主催)、百二十人が訪れました。二十二日も午前十時から同所で行われます。
「二月まで日研総業で派遣として働いていたが切られた。住むところがなく、所持金は四円だけ」(三十四歳男性)、「日研総業から日産ディーゼルに派遣され、昨年十一月に仕事を失った。所持金は三百円」(三十七歳男性)、「登録型派遣で働き仕事が切れて収入が途絶えた。カプセルホテルやインターネットカフェを転々とした。所持金は千円」(四十七歳男性)などの相談が寄せられました。
会場で開かれた集会に日本共産党のあやべ澄子・伊藤岳両衆院北関東比例予定候補、柳下礼子・山川すみえ両県議、松下裕さいたま地区委員会副委員長が参加し、柳下県議が「人間らしく生きられる社会をめざしてともに頑張りましょう」とあいさつしました。
愛知
愛知県岡崎市では、岡ビル三階フロアを会場に「反貧困・駆け込み相談会」が行われました。雇用や住宅、医療、生活保護など分野別のブースが設けられ、弁護士、司法書士、市民ボランティアら百人のスタッフが応対。健康チェックや、おにぎりなどの炊き出しも行われました。
午後四時までに六十九人が訪れ、「夫が、派遣先のトヨタの下請け工場を解雇された。今月いっぱいで寮から出される。どうしたらいいのか」(二十八歳女性)、「四月までの契約だったのに、今月末でクビといわれた。再就職のメドがない」(四十八歳男性)などの訴えが相次ぎました。
実行委員の榑松佐一愛労連事務局長は、「相談から生活保護申請まで総合的に対応したい。住居を失った人でも失業保険を申請できるなど、現行制度を広く知ってもらう努力が行政に求められる」と語ります。日本共産党の八田ひろ子衆院東海比例予定候補も訪れ、スタッフをねぎらいました。
二十二日も午前十時から午後四時まで開設します。
大阪
弁護士や労働組合、市民団体などでつくる「反貧困ネットワーク大阪実行委員会」は、大阪市の中之島公園で「反貧困・春の大相談会in大阪」を開きました。
実行委員長の木村達也弁護士は、「一人でも多くの人に安定した生活が獲得できるようにしたい」とあいさつしました。
大阪市役所南側の中之島プロムナードに並んだテントでは、弁護士や司法書士、労働組合の役員などが生活、労働、借金、住まいなどの相談に応じました。朝から、多くの人が訪れ、列をつくって順番を待つ場面も。
医師、看護師、歯科医による健康診断や、弁当などの提供も行われました。
「生活をやり直すチャンスがほしかった」と相談にきた男性(52)は、生活保護の申請に行くことになり、「何も知らなかったので、ここにきてよかった。一人の力は知れている。」と話していました。
二十二日の相談会は大阪市役所南側の特設テントで、午前十時から午後五時まで行われます。