2009年3月23日(月)「しんぶん赤旗」

緊張増す行為自制を

「人工衛星」問題 日朝双方に求める

NHK討論 笠井氏が見解


 北朝鮮が「人工衛星」を四月に打ち上げると通告している問題について、日本共産党の笠井亮衆院議員は二十二日、NHK「日曜討論」で、「北朝鮮には、緊張を悪化させるような行為を差し控えることを求めることが必要で、日本も軍事的対応に進むという緊張を悪化させることはやめるべきだ」と見解を述べました。

 このなかで笠井氏は、二〇〇六年十月に採択された国連安保理決議一七一八で、朝鮮半島の非核化の達成と北東アジア地域の平和と安定の維持のために、関係国は「外交努力を強化し、緊張を悪化させるおそれのあるいかなる行動も差し控える」となっていることを紹介。北朝鮮と日本の双方が「自制することが大事だ」と述べました。

 また、「決議では、六カ国協議の早期再開を促進するすべての関係国の努力を歓迎・奨励している。こういうときこそ日本、アメリカ、韓国、ロシア、中国と、北朝鮮の六カ国協議をすべきだ」と強調しました。

 討論のなかで自民党の中谷元・元防衛庁長官は、北朝鮮が「人工衛星」を打ち上げた際に、「万が一のことを考え、万全の体制をとる」として、自衛隊などによるミサイル防衛システムで破壊するとの立場を示し、民主党の浅尾慶一郎参院議員も「しかたない」と述べました。

 笠井氏は「軍事的対応の議論は、それ自身が緊張悪化につながる」と発言。北朝鮮が発射を予告している四月の四日から八日までまだ二週間あると述べ、「その間に緊張を悪化させる事態にならないように外交努力に全力をあげるべきだ」と強調しました。

 自民党、公明党の代表も外交努力の必要性を認めました。

 北朝鮮の発射後の対応について問われ、笠井氏は、「国連の潘基文(パンギムン)事務総長も、国連安保理決議に違反するかどうかは事後に協議することと言明している」と述べた上で、北朝鮮が過去の国際的な無法を清算していない国だと指摘し、「だからこそ、批判する側は事実と根拠に基づいて道理を尽くすべきだ。どこが違反しているのかきちんと示すことが大事だ」と語りました。



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