2009年3月27日(金)「しんぶん赤旗」
働き盛りの相談5割
派遣切り・雇い止め日弁連ホットライン
全国で1067件
日本弁護士連合会は二十六日、全国各地で実施した「派遣切り・雇い止めホットライン」の結果を公表しました。ホットラインに寄せられた相談は全国で千六十七件、大量解雇と失業、住居の喪失が懸念される年度末を控え、派遣切り、雇い止めが全国的に広がっていることを浮き彫りにしています。
ホットラインは、日弁連が三月九日、派遣労働者や契約社員など非正規労働者を対象に、全国いっせいに電話相談を受けたもの。相談内容では労働相談が七百五十四件と多数を占める一方、生活保護の相談も二百四十八件と多数にのぼり、困窮した人からの相談が激増しています。
年齢層(不明分を除く)では四十代が二百七十一(28%)、五十代が二百十二(22%)となっており、働き盛りの労働者が厳しい状況に追い込まれていることがうかがわれます。
相談事例(別表参照)からは、派遣期間制限に違反しながら派遣切りにあい、住まいまで奪われる、長期の反復継続更新で本来なら「期間の定めのない労働契約」として正当な理由なく解雇できなくなっているにもかかわらず雇い止めにあうなど不当な事例が多くみられます。所持金もなく、健康不安も重なるなど、深刻な相談が多数寄せられています。
日弁連では「行政による総合相談窓口やシェルターの設置、生活保護、雇用保険の適正迅速な適用を行うべきだ」としています。
主な相談事例
埼玉・44歳男性 今年1月末で派遣切りにあった。18万円の就職安定融資を受け、3月18日から失業保険が出るが、現在、所持金15円。銀行にも66円しか預金がない。
三重・48歳女性 大手派遣会社からサッシ製造ラインに派遣。勤続4年、2月初めに3月25日での雇い止めを通告。寮を出て行くように言われている。転居先や仕事もない。
大阪・45歳女性 民間企業のパートで15回契約更新されている。昨年7月に病気で休み、復帰すると「辞めてくれ」といわれた。ハローワークにいくと自己都合退職にされていた。
大阪・58歳男性 20年前から派遣会社の寮で生活。いろいろなところで働いてきたが昨年12月解雇され寮を出された。サウナなどを転々として現在の所持金は1000円。
大阪・女性 派遣切りにあい10月末から仕事がなく、紹介もない。派遣元からサラ金を紹介され多重債務状態になった。
大阪・男性 8カ月失業。かぜをひいて病院に行きたいが健康保険がない。市役所に行き、事情を話すと、2年近く滞納している保険料を先に払えと言われた。
大阪・女性 有期3カ月の契約をすでに20回更新。今年3月で契約を更新しないと言われた。