2009年3月28日(土)「しんぶん赤旗」

温室ガス4%増も

90年比 政府委が中期目標案


 政府の中期目標検討委員会は二十七日、温室効果ガス削減の中期目標案として、二〇二〇年時点で一九九〇年比4%増から25%減までの六案を提示しました。政府は、これらの案を検討し、六月までに中期目標を決定するとしています。

 先進国の中期目標は、各国が年内合意を目指す一三年以降の温暖化対策の新たな国際協定の核心です。欧州連合(EU)の20ないし30%削減など、先進国の多くはすでに目標を決定。主要先進国で決めていないのは日本とロシアだけです。

 国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)は、温暖化の被害を抑えるには先進国が25―40%削減する必要があるとし、年末に向けた国際交渉でも、これが重要な指標となっています。

 六案のうち今回分析結果が出たのは(1)4%増(2)0―3%減(3)7%減(4)15―16%減(5)25%減―の五案。もう一案は、(3)と(4)の中間で「分析継続中」とされています。

 目標案は、中期目標の設定が厳しいほど、失業増など経済活動を低下させると強調。全体として、温室効果ガス削減の対策導入による温暖化抑制の効果や、再生エネルギー導入による経済活性化、新たな技術開発の効果は想定しないものです。同日の検討委でも、一部の出席者から、こうした分析結果の一面性への批判が出ました。


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