2009年4月3日(金)「しんぶん赤旗」
農林中金問題
投機的運用改めよ
紙議員告発 資金は農業再生に
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日本共産党の紙智子議員は二日の参院農林水産委員会で、農林中央金庫の金融問題についてただしました。
農協などを会員とする農林中金は、昨年秋からの世界的な金融危機で一兆九千億円を超える有価証券評価損を発生させています。
紙氏は、農林中金の四十六兆円の資金の運用の約八割が有価証券投資(うち約七割が国際部門)であり、ドル建て運用が五割に上ることを指摘。「ハイリスクな投資にのめりこみ損失を広げた。ヘッジファンドとも言われるようなやり方を改めよ」と求めました。
石破茂農水相は「個々の経営判断によるものだ」との答弁に終始。紙氏は「監督官庁としてリアルに事態を把握し分析せよ」と迫りました。
紙氏は、有価証券の評価損のために、農林中金が全国の農協や信用農業協同組合連合会(信連)に求めた一兆九千億円超の増資が、これらの団体の経営に深刻な影響を与えていると指摘。「こうした状況で、農協の中で貸しはがしや貸し渋りがあってはならない」と強調しました。
さらに、農林中金の貸出比率がわずか二割にすぎず、系統団体への貸し出しが5・8%である現状を告発。海外での投資ファンド的資金運用を改めるとともに、「日本農業の再生にこそ農林中金の資金を注ぎ込むべきだ」と提起しました。
石破氏は「貸し渋り・貸しはがしの苦情がないか確認している」「農林漁業者の経営の安定、農林漁業の発展に寄与していくかどうか、強い関心を持ってみていく」と答えました。