2009年4月3日(金)「しんぶん赤旗」
騒音大きい新鋭機に触れず
沖縄新基地アセス準備書
沖縄県名護市への米海兵隊の新基地建設に向けた手続きとして、沖縄防衛局が沖縄県などに提出した「環境影響評価準備書」の県民への公告・縦覧が二日、始まりました。
この「準備書」は、米海兵隊が二〇一二年秋から沖縄配備を計画している最新鋭垂直離着陸機・MV22オスプレイが環境に及ぼす影響にまったく触れておらず、評価準備書としての要件を満たしていないものとなっています。
「準備書」は、米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)に代わるキャンプ・シュワブ(同県名護市)沿岸部への新基地の一四年完成を前提としています。
新基地で「使用を予定する航空機」として、現時点で普天間に配備されているCH46中型ヘリ、CH53大型ヘリ、AH1攻撃ヘリなどを列挙。各機種の運用状況を基に飛行経路を設定し、騒音について「可能な限り回避・低減できる」と評価しました。
ところが、米海兵隊が昨年十月に公表した「〇九会計年度海兵航空計画」では、現在普天間に配備されているCH46を一二年から一四年六月までの間にすべてオスプレイに切り替えるという工程表を示しています。
同機はヘリと比べて騒音が大きいとされています。飛行経路がCH46と異なる可能性もあります。
麻生太郎外相(当時)が「(オスプレイが)完成品になった段階で(従来機と)置きかえられる可能性は、十分考えておく必要がある」(〇七年四月十一日、衆院外務委)と答弁するなど、日本政府も配備の可能性を認めています。
それにもかかわらず「準備書」は、一四年までに沖縄から撤去されるCH46の配備を前提としており、「新基地建設先にありき」で作られた文書であることが示されています。