2009年4月5日(日)「しんぶん赤旗」

母子加算 全廃10万世帯

政党助成金やめれば復活してもおつり


 ひとり親などの生活保護世帯に支給されてきた母子加算が一日で全廃されました。

 同加算廃止は小泉「構造改革」に基づく社会保障費削減路線のもとで二〇〇四年に決められ、〇五年度から段階的に廃止されてきました。

 四年間で廃止対象となった世帯は十万五百世帯にのぼり、そのうち五万三千二百世帯は、この四月から打ち切りです(一日の衆院厚生労働委員会での日本共産党の高橋ちづ子議員への答弁)。

 深刻な不況がひとり親世帯を直撃しているにもかかわらず、“スケジュールどおり”に廃止を強行したことは、くらしの実態をみない、あまりにも無慈悲なやり方です。

 厚労省は、母子加算廃止の代わりに、「就労促進費」(月額三万円以上の収入で一万円、三万円未満および職業訓練を受けている場合は五千円)を設けたから問題ない、という姿勢です。しかし、病気や障害、育児などで就労できない世帯には「就労促進費」は支給されません。支給ゼロになるのは四万三千七百世帯にのぼり、四月で加算が打ち切られる世帯の82%にあたります。

 母子加算の廃止で削減された国費は約二百億円。このうち十五歳以下の子どものいる世帯の加算廃止による削減額は百八十五億円です。

 日本共産党以外の政党が税金を山分けする政党助成金につぎ込まれている三百二十億円を母子加算の復活に回しても、おつりがきます。税金の使い道を改め、母子加算を復活させることが求められます。(鎌塚由美)

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