2009年4月8日(水)「しんぶん赤旗」
温室ガス排出源 集中進む
166事業所で5割
07年度 電力・鉄鋼が突出
気候ネットワーク調べ
日本の温室効果ガス総排出量(二〇〇七年度)の半分が、八十八の火力発電所と製鉄所など七十八の大規模工場の計百六十六の事業所から排出されていたことが七日、温暖化防止に取り組む環境市民団体の気候ネットワーク(浅岡美恵代表)の調べでわかりました。三日に発表された地球温暖化対策推進法にもとづく排出量の公表データを分析したものです。
気候ネットワークは「二〇〇六年度は、電力や鉄鋼などの二百事業所で半分を占めていたが、二〇〇七年度の結果は大規模排出源への集中度が大幅に高まった。発電所・工場での実効性のある排出削減対策が不可欠だ」と指摘しています。
気候ネットワークによると、日本の温室効果ガス総排出量の50%を占める百六十六事業所のうち、八十八の火力発電所と十八の製鉄所だけで、42%も占めていました。残る8%は、素材系製造業・エネルギー産業(石油精製)の六十工場でした。
全体では前年より2%増でしたが、電力部門は前年比12%増と大幅に増やし、鉄鋼部門も同4%増。東京電力は鹿島火力発電所の排出量が四倍、広野火力発電所が一・八倍に。石炭火力発電所からの排出量も、電源開発の橘湾、松浦の両石炭火力発電所などで15―16%増えていました。
気候ネットワークは、政府が排出削減対策を日本経団連の自主行動計画まかせにしていることをあらためて批判。「大規模排出源対策が不可欠」と指摘し、温室効果ガスの排出上限枠を設定した「排出量取引制度」の導入とともに「固定価格買取制度」による太陽光などの自然エネルギー利用拡大を訴えています。
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